← スワイプで切り替え →
Hospital Staff AI Training — Session 01
プロンプト
エンジニアリング
基礎講座 〜 AIを医療現場で使いこなす
対象:看護師・医師・コメディカル・事務職員
所要時間:約10分
レベル:入門〜初級
AGENDA

本日の講義内容

2 / 10

以下の流れで進めます。練習問題では実際にAIへの指示を体験します。

📖
第1章 基本概念
プロンプトエンジニアリングとは何か。なぜ医療現場で重要なのかを理解する。定義・3要素・Before/Afterで学ぶ
✏️
第2章 練習問題
退院指導文書の作成を例に、実際にAIへの指示を設計・体験する。補助プロンプト付き
📚
第3章 用語解説
AIを使う上で知っておくべき基本用語(ハルシネーション・LLM等)を整理する
重要な前提:本講義は医療現場でのAI活用を支援するものです。AIの出力は必ず医療職者が確認・修正してから使用してください。AIは臨床判断を代替しません。
01
プロンプトエンジニアリングとは
AIとの「効果的なコミュニケーション方法」を学びます。医療現場でよくある失敗例から考えていきましょう。
第1章

こんな経験はありませんか?

4 / 10

ChatGPT・ClaudeなどのAIを使っていて、思うような結果が得られなかった経験はありませんか?

「患者への説明文を作って」と頼んだら、難しすぎて患者に渡せなかった
→ 対象者の年齢・理解力を指定していなかったため
「SOAPで看護記録を書いて」と指示したのに、フォーマットが全然違った
→ どのSOAP形式かを具体的に伝えていなかったため
薬剤情報を聞いたら、古い・間違った情報が返ってきた
→ AIの知識に限界があること・確認が必要なことを知らなかったため
同じ目的で依頼しても、毎回違う形式・品質の結果が返ってくる
→ 指示にフォーマット・条件が明示されていなかったため
💡
これらは、AIへの「指示の仕方(プロンプト)」を工夫することで、大きく改善できます。
第1章

定義と3要素

5 / 10
プロンプトエンジニアリングとは
AIに対して効果的な指示を出すための技術・方法論のこと。医療では「患者安全・情報精度・業務効率」を意識した指示設計が特に重要です。
3つの基本要素
① 目的の明確化
何の業務に使うかを具体的に決める(例:患者説明文作成、看護記録補助)
② AIの特性理解
AIの得意・不得意を把握する。最新情報・個人情報・臨床判断には限界がある
③ 効果的な指示
役割・対象・フォーマットを明示し、構造化された指示を伝える
+ 医療特有の注意
患者を特定できる情報(氏名・ID・診断名)をAIに入力しない。出力は必ず医療職者が確認する
第1章

Before / After 比較

6 / 10

退院指導文書の作成依頼で比較してみましょう。指示の質で出力が大きく変わります。

❌ Before:漠然とした指示
退院指導の文書を作って
❌ 専門用語だらけで患者に渡せない
❌ 長すぎて読んでもらえない
❌ 毎回フォーマットが変わる
❌ 対象者に合っていない内容
✅ After:プロンプト活用
【役割】病棟看護師サポートAI
【対象】70代・高血圧・理解力やや低め
【内容】退院後の服薬管理(降圧薬)
【条件】専門用語なし・箇条書き・A4×1枚
【構成】タイトル→服薬→注意→連絡先
✅ 患者・家族が読みやすい
✅ 適切な分量・構成
✅ 毎回安定した品質
✅ 確認後すぐ使える
02
練習問題
補助プロンプトをコピーしてAIに貼り付けて試してみましょう。
第2章

練習問題:退院指導文書のプロンプトを設計しよう

8 / 10
📋 状況設定
あなたは病棟勤務の看護師です。70歳代の高血圧患者が明日退院します。患者本人と家族に向けて「退院後の服薬管理」の説明文書をAIに作成させてください。
含めるべき5つの要素
対象者の情報(年齢・疾患・理解力)
文書の目的と用途
出力フォーマット(箇条書き・見出し等)
言葉のレベル(専門用語を避けるなど)
文書の長さ・構成
補助プロンプト(コピーして使用可)
COPY & PASTE
あなたは病棟看護師をサポートするAIアシスタントです。
以下の条件で退院指導文書を作成してください。

【患者情報】
・年齢:70代 ・疾患:高血圧 ・理解力はやや低め

【要件】
1. 降圧薬の飲み方と注意事項を説明する
2. 専門用語なし・わかりやすい言葉で
3. 見出し+箇条書き・A4×1枚以内
4. です・ます調で統一する

【構成】
タイトル → 薬の飲み方 → 注意点 → 困ったときの連絡先
第3章

用語解説

9 / 10
用語説明
プロンプトAIへの指示・質問のこと。入力テキスト全体を指す。
プロンプトエンジニアリングAIから望む出力を得るために指示を最適化する技術。医療では安全性・精度が特に重要。
LLMChatGPT・Claudeなどの基盤AI技術。大量テキストを学習して自然な文章を生成する。
ハルシネーションAIが事実と異なる情報を自信を持って出力する現象。医療情報は必ずダブルチェックが必要。
ロールプロンプト「あなたは〇〇です」とAIに役割を与える指示。回答の視点・スタイルが変わる。
コンテキストAIに与える背景情報・文脈。詳しく伝えるほど出力精度が上がる。
まとめ

まとめと医療AI活用の原則

10 / 10
本日のまとめ
「役割の明示・対象者の具体化・出力形式の指定・安全配慮の記載」の4点を意識することで、AIから使えるアウトプットを得られるようになります。
!
AIの出力は必ず確認医療職者が内容を確認・修正してから使用する
!
個人情報は入力しない氏名・ID・診断名など個人を特定できる情報はAIに入力しない
命に関わる情報はAI任せにしない薬剤・検査値はガイドライン・添付文書で確認する
次回:業務別プロンプト実践看護記録・患者説明・勉強会資料の実践的プロンプト作成へ
── 本資料はAI活用の一般的な方法論であり、臨床判断の代替ではありません ──